振込をしたけれど、まだ反映されていない――そんな状況に遭遇すると、「いつ振込が反映されるのだろう」と気になるものです。
振込の反映速度は銀行の仕組みによって左右されることが多いです。
ここでは、銀行振込が反映される時間帯について解説します。
コアタイムシステムとモアタイムシステム
銀行振込の反映時間を理解するうえで重要なポイントが、「コアタイムシステム」と「モアタイムシステム」という2つのシステムです。
銀行間の取引では必ず「全銀システム」という仕組みを介して振込が処理されますが、その中に「コアタイムシステム」と「モアタイムシステム」が存在します。
コアタイムシステム
従来の振込処理に利用されてきたのがコアタイムシステムです。
このシステムでは、平日の午前8時30分から午後3時30分までに手続きが完了していないと、当日中の反映が難しくなります。
特に平日15時以降や土日祝日は対応していないため、次の営業日まで振込が完了しないケースが一般的です。
モアタイムシステム
一方、モアタイムシステムは2018年10月から導入され、平日15時30分以降や土日祝日でも振込がリアルタイムで処理できる仕組みです。
このシステムに対応している銀行であれば、24時間365日いつでも振込が可能です。
ただし、すべての金融機関がモアタイムシステムを採用しているわけではありません。
銀行ごとの対応状況により、即時反映される場合と、翌営業日まで待つ必要がある場合があります。
<現在モアタイムシステムを利用している銀行について>
2023年3月時点でモアタイムシステムに対応している金融機関については、全銀システム利用金融機関の公式リストをご確認ください。
また、信用金庫や労働組合などの代行決済機関についても公開されています。
振込の反映時間を把握し、スムーズな手続きを進めるためには、自分が利用している銀行の対応状況を事前に確認しておくことが重要です。
振込が即時または当日中に反映されるケース
【平日9:00~15:00の間にATMで振込を行った場合】
この時間帯に振込を行うと、基本的に当日中に相手口座へ反映されます。
【モアタイムシステムを導入している銀行間での振込】
モアタイムシステムに対応している銀行同士の振込なら、曜日や時間帯に関係なく、24時間365日即時反映されます。
ただし、銀行によってはシステムメンテナンスの時間帯があるため、全時間帯で即時反映とは限りません。
※同一銀行内での振込
同じ銀行内の振込でも、モアタイムシステムに対応している場合は24時間いつでも即時反映されます。
ただし、システムに未対応の場合は、平日15:00までの振込でなければ当日中の反映は難しくなります。
振込が翌営業日に反映されるケース
【モアタイムシステム未対応の銀行間での振込】
いずれかの銀行がモアタイムシステムを導入していない場合、平日15:00以降や土日祝日に振込を行うと、反映は翌営業日となります。
【モアタイムシステム対応銀行でも翌営業日となる場合】
モアタイムシステムを導入している銀行であっても、システムメンテナンスの時間帯に振込を行った場合は、翌営業日に反映されます。
【システムメンテナンスによる振込反映の遅延例】
以下の銀行では、定期メンテナンス中に振込を行うと即時反映されず、翌営業日に持ち越される場合があります。
三井住友銀行:日曜日 21:00 ~ 翌月曜日 7:00
住信SBIネット銀行:土曜日 23:30 ~ 翌日曜日 0:30
熊本銀行:土曜日 21:00 ~ 翌日曜日 7:00
※このほかの銀行については、各金融機関の公式サイトなどで確認してください。
また、緊急のメンテナンスが入る場合もあるため、最新の情報を随時チェックすることをおすすめします。
コンビニATMやネットバンキング利用時の振込反映
振込反映のタイミングは、利用する銀行が「モアタイムシステム」を導入しているかどうかによって異なります。
【モアタイムシステム導入状況別の振込反映タイミング】
①両方の銀行がモアタイムシステム対応:振込は即時反映されます。
②どちらか一方のみモアタイムシステム対応
平日8:30~15:00:当日中に反映
平日15:00以降、または土日祝日:翌営業日に反映
③どちらの銀行もモアタイムシステム非対応:基本的に翌営業日反映となります。
振込の反映時間は、振込先の銀行がモアタイムシステムを利用しているかどうかで決まります。
振込を行う場所(例:コンビニATMやインターネットバンキング)ではなく、銀行側のシステムに依存します。
振込が反映されない原因
「振込をしたのに反映されない!」という場合、主に以下の3つの理由が考えられます。
【翌営業日に反映される時間帯に手続きを行った】
モアタイムシステム未対応の銀行、または対応している銀行でもシステムメンテナンス時間帯で振込んだ場合、反映は翌営業日となります。
【銀行システムの遅延】
月末や給与日など、振込が集中するタイミングでは処理が遅れる場合があります。
【振込情報に不備がある】
口座番号や振込先名義の誤りなどにより、手続きが完了していない可能性があります。
不備が疑われる場合は、振込を行った銀行に問い合わせるか、受取人に直接確認してみましょう。
まとめ
銀行振込の反映タイミングは、主に「コアタイムシステム」と「モアタイムシステム」のどちらを利用しているかに依存します。
コアタイムシステム:平日8:30~15:00まで対応、土日祝日は非対応
モアタイムシステム:24時間365日対応
振込元や振込先の銀行がどちらのシステムを利用しているかを確認することで、反映時間を把握しやすくなります。
ぜひ参考にして、スムーズに振込を行いましょう。