「彗星と流星って何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?
両者の違いをはっきり説明できる人は少ないのではないでしょうか。
彗星は太陽系を巡る天体で、太陽に接近すると輝く尾を引きます。
流星は地球の大気に突入する小さな岩石や塵が発光する現象です。
一見似ているようで、実際は全く別のものなのです。
ここでは、彗星と流星の違い基礎から詳細まで丁寧に説明していきます。
彗星(ほうき星)
彗星(ほうき星)とは
彗星は、太陽系内を旅する小さな天体で、主に氷と岩石で構成されています。
太陽に近づくと、氷が溶けてガスや塵を放出し、美しい尾を形成します。
この尾は太陽光を反射して輝き、時には数か月間も観測できることがあります。
彗星の大きさは様々ですが、一般的には数キロメートル程度です。
その特徴的な尾の形状から、「ほうき星」とも呼ばれています。
夜空を横切るその姿が、竹ぼうきを振るように見えることが名前の由来です。
彗星が地球や太陽に接近した際にのみ観測可能です。
彗星の核は約80%が氷で構成されており、残りはガスや揮発性物質です。
太陽に近づくと、これらの物質が蒸発して尾を形成します。
彗星の大きさは数キロメートルから数十キロメートルと多様です。
彗星の軌道は長く細いものが多く、年間に数十個の彗星が観測されると言われています。
彗星の種類とその特徴
彗星には様々な種類があり、それぞれ異なる周期で太陽に接近します。
ハレー彗星は約76年ごとに見られますが、ドナティ彗星のように数千年に一度しか現れないものや、カエサル彗星のように歴史上で一度だけ確認されたものもあります。
彗星はその公転周期に基づいて「短周期彗星」と「長周期彗星」に分類されます。
短周期彗星は200年以内の周期で太陽を回り、長周期彗星は200年以上の周期を持ちます。
また、一度太陽に近づいた後に戻ってこない彗星は「非周期彗星」と呼ばれます。
彗星が太陽に接近し、その揮発性物質が全て蒸発して核だけが残った場合、それは「彗星小惑星遷移天体」または「枯渇彗星」と呼ばれます。
ハレー彗星のように短周期で逆行する軌道を持つ彗星は「ハレー型彗星」と分類されます。
彗星の種類 特徴
・短周期彗星 :200年以下の周期で太陽の周りを回る
・長周期彗星 :200年以上の周期を持つ
・非周期彗星 :一度太陽に近づいた後に戻らない
・彗星小惑星遷移天体 :揮発性成分が蒸発し核だけが残る
・ハレー型彗星 :短周期で逆行する軌道を持つ
2020年7月、ネオワイズ彗星が大きな話題を呼びました。
この彗星は非常に明るく、観測しやすかったため、多くの人々を魅了しました。
彗星の神秘的な美しさと予測困難な性質は、現在でも私たちの想像力をかき立てています。
流星(流れ星)
流星(流れ星)とは
流星(流れ星)は、宇宙の小さな塵が地球の大気圏に高速で突入する際に発生します。
この突入により摩擦が生じ、熱が発生して明るく光り輝きます。
この光の筋は非常に短く、通常1秒以下で消えてしまいますが、毎日地球上で数千個の流星が観測されています。
流れ星のサイズは非常に小さく、数センチから数ミリメートル程度しかありません。実際には「星」ではなく、小さな宇宙の破片です。
流星群と散在流星
流星は、彗星の周期に関連して発生する「流星群」と、予測が難しい「散在流星」に分けられます。
【流星群】: 彗星が通過した後に残された塵が地球の大気圏に突入し、一度に多くの流星が現れる現象です。
流星群は彗星の周期によって発生するため、出現を予測することができます。
代表的な流星群
・ふたご座流星群 :毎年12月 日本でも非常に有名で、多くの流れ星を楽しむことができる
・ペルセウス座流星群 :毎年8月 毎年の夏の風物詩として親しまれている
・ぎょしゃ座流星群 :数十年に1回 非常に珍しく、次回の観測が待たれる流星群
流星群はその名の通り、流れ星が群れをなして現れる天文現象です。
【散在流星】: 予測が難しいランダムな流星で、常に宇宙から地球に向かってくる塵によって発生します。
まとめ
彗星と流星は、どちらも宇宙の神秘的な現象ですが、その起源や特徴には大きな違いがあります。
彗星: 太陽系内を公転する比較的大きな天体で、長い尾を引いて数か月間観測できることがあります。
流星: 宇宙の塵が地球の大気圏に突入し、摩擦熱で短時間発光する現象で、その輝きは数秒間しか続きません。
一見似ているようで、実際は全く別のものなのです。