5月5日は「端午の節句」として知られ、日本では古くから「菖蒲湯」に入る風習があります。
菖蒲の葉や根をお湯に浸して楽しむこの入浴法には、健康を願う意味が込められ、リラックス効果も期待できます。
ここでは、菖蒲湯の歴史や効果、簡単な入れ方、さらにはこどもの日に楽しめる他の行事についても詳しくご紹介します。
菖蒲湯はいつ入る?
菖蒲湯とは、菖蒲の葉や根をお風呂に浮かべて入浴する日本の伝統的な風習です。
毎年5月5日の「端午の節句」に行われ、家族の健康や子どもの健やかな成長を願う意味が込められています。
この風習は、中国から伝わった「端午の節句」に由来すると言われています。
中国では、邪気を払うために菖蒲を用いる習慣があり、それが日本に広まったと考えられています。
日本では、菖蒲の強い香りが厄除けになるとされ、風呂に入れて浸かる形で親しまれるようになりました。
また、武士の時代には「菖蒲」が「勝負」や「尚武(武を重んじる)」に通じることから、男の子の成長を願う行事として定着したとも言われています。
菖蒲湯の効能
菖蒲には、古くから薬草としての役割もあり、お風呂に入れることでさまざまな効果が期待できます。
1. 血行促進
菖蒲の成分には血行を良くする作用があり、冷え性や肩こり、腰痛の改善が期待できます。
2. リラックス効果
菖蒲の爽やかな香りには、自律神経を整え、ストレスを和らげる働きがあります。
3. 疲労回復
根の部分には、筋肉のこわばりをほぐす成分が含まれており、疲れた体を癒してくれます。
4. 厄除け・邪気払い
強い香りには、邪気を払う力があるとされ、昔から魔除けとしても利用されてきました。
菖蒲湯の作り方
菖蒲湯の作り方はいくつかあります。
自分に合った方法で取り入れてみましょう。
1. 菖蒲の葉をそのまま入れる
スーパーや花屋で手に入る菖蒲を束のまま湯船に浮かべるだけでOK。簡単に香りと効能を楽しめます。
2. 刻んで使う
香りをより引き出したい場合は、葉を細かく刻んで袋に入れ、熱湯を注いで抽出液を作りましょう。そのまま湯船に入れれば、より濃厚な香りが広がります。
3. 菖蒲の根を煮出す
本格的に楽しみたい方は、乾燥させた菖蒲の根を煮出し、そのお湯をお風呂に加えましょう。漢方のような効能を得られます。
菖蒲湯をもっと楽しむ
1. 追い焚きで香りを強める
お湯を温め直すことで、菖蒲の香りをより引き立たせることができます。
2. 残り湯で洗濯
菖蒲の香りがほんのり残るお湯を、洗濯に活用してみるのもおすすめです。
3. 菖蒲の葉を頭に巻く風習
地域によっては、菖蒲の葉を頭に巻くことで「賢くなる」と言われています。子どもの成長を願いながら取り入れてみるのも良いですね。
4. 乾燥させて再利用
使った菖蒲を乾燥させると、玄関や窓際に置くことで害虫除けや魔除けとしても活用できます。
こどもの日その他の風習
菖蒲湯のほかにも、5月5日にはさまざまな風習があります。
家族で一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?
1. 柏餅を食べる
柏の木は「新芽が出るまで古い葉が落ちない」ことから、家系が途絶えない縁起の良い木とされています。
そのため、子どもの成長と子孫繁栄を願って柏餅を食べる習慣があります。
2. ちまきを食べる
中国の伝統が由来のちまきは、忠誠心や健やかな成長を願って食べられます。
地域によって中身が異なり、関東ではもち米のおこわ、関西では甘い餅のちまきが一般的です。
3. 出世魚を食べる
名前が変わる魚(ブリやスズキなど)を食べることで、子どもの成長や将来の成功を願います。
4. 五月人形やこいのぼりを飾る
厄除けの意味を持つ五月人形や、立身出世を願うこいのぼりを飾ることで、子どもの無事な成長を祈ります。
まとめ
菖蒲湯は、5月5日の端午の節句に行われる伝統的な風習で、健康を願うだけでなく、リラックス効果や血行促進などの効能も期待できます。
ゴールデンウィークを自宅でゆっくり過ごすなら、菖蒲湯と一緒に子どもの日のイベントも取り入れて、家族みんなで楽しんでみてはいかがでしょうか?