節分に食べる定番の「恵方巻き」。
毎年変わる特定の方角を向きながら丸かぶりする独特の習慣が続けられています。
この方角は「恵方」と呼ばれ、「歳徳神(としとくじん)」という神様が宿るとされる方向です。
その年の縁起が良いとされるため、多くの人がこの伝統に従って恵方巻きを楽しみます。
ここでは、恵方巻きの由来や食べ方、2025年の方角などを解説していきます。
2025年の恵方は「西南西」
2025年に恵方巻きを食べる際には「西南西」を向くのが正しいとされています。
さらに細かく言うと、「やや西寄りの西南西」がその年の最も縁起が良い方向です。
正確な方角を意識して食べることで、より多くの幸運を呼び込むと考えられています。
かつては恵方を生活の中で重視する習慣が広く浸透していました。
初詣の際に恵方にある神社を訪れたり、新しい物事を始める際には恵方を向いたりすることが一般的でした。
しかし、現代ではこの風習が節分の恵方巻きとして主に残されています。
参考
【2025年の節分は2月2日(日)】
「節分=2月3日」と思われがちですが、実際には「立春の前日」を指します。
2025年の立春が2月3日にあたるため、節分はその前日の2月2日となります。
この日に恵方巻きを楽しみましょう。
恵方巻きの起源
恵方巻きの由来については明確な説が定まっていませんが、いくつかの有力な説が挙げられています。
1つ目は、大正時代から戦後にかけて大阪を中心とした関西地域で行われていた節分の風習です。
当時、商売繁盛を願いながら「丸かぶり寿司」や「太巻き寿司」を食べる行事が行われており、これが恵方巻きの起源とされています。
もう1つは、1973年頃に大阪の海苔業者と寿司店が共同で企画したキャンペーンがきっかけという説です。
「節分に太巻き寿司を食べる文化」を恵方巻きとして広め、さらに1998年には大手コンビニエンスストアが大々的なPR活動を行ったことで、この習慣が全国的に広まりました。
恵方はどうやって決まる
恵方は、その年に「歳徳神(としとくじん)」が宿る方角を指します。
この方角は毎年変化しますが、基本的には「東北東」「西南西」「南南東」「北北西」の4つのうちのどれかに当たります。
では、具体的にどのように決められているのでしょうか?
その年の「十干(じっかん)」と呼ばれる暦の干支に基づいて決定されています。
十干は、「甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)」の10種類から成り立っており、これが恵方の向きを決定する基準になっています。
十干を覚えるのは少し難しいかもしれませんが、西暦の末尾を使えば簡単に恵方を知ることができます。
末尾が「0、5」の年:西南西
末尾が「1、3、6、8」の年:南南東
末尾が「2、7」の年:北北西
末尾が「4、9」の年:東北東
これを覚えておくと便利です。
恵方巻きの正しい食べ方
ここでは、恵方巻きを正しく食べるためのポイントや2025年の節分の日について詳しく解説します。
【恵方巻きを食べるときの3つのルール】
「切らずにそのまま食べる」
恵方巻きは縁を切らないことを願い、切らずに丸ごと食べるのが習わしです。
食べやすさよりも縁起を大切にする意味があります。
「その年の恵方を向いて食べる」
2025年の恵方は「西南西」です。
この方角には歳徳神という福をもたらす神様がいるとされ、その方向を向くことで運気が上がると考えられています。
「黙って願い事を思いながら食べる」
食べる際には一言も話さず、心の中で願い事を唱えながら食べきるのがポイント。
途中で話すと運が逃げてしまうと言われています。
これらのルールを守ることで、福を引き寄せることができるとされています。
恵方巻きの具材と七福神
恵方巻きには一般的に7種類の具材が使われます。
この「7」という数字は七福神を表しているとされ、具材の種類にはそれぞれ関連する神様がいます。
その中でも代表的な3つの具材と七福神との関係をご紹介します。
<きゅうりと恵比寿様>
恵比寿様は日本由来の神様で、商売繁盛や豊作をもたらします。
きゅうりは「九の利を得る」という言葉遊びから縁起が良いとされています。
<玉子と大黒天様>
黄色い玉子は金運を象徴し、大黒天様と関連づけられています。
大黒天様は財宝や幸運をもたらす神様です。
<かんぴょうと弁財天様>
弁財天様は音楽や芸術、縁結びの神様で、唯一の女性の神様です。
かんぴょうは美容効果が期待されていたことから、女性の神様とのつながりがあると考えられています。
縁起の良い具材を味わいながら、恵方巻き習慣を楽しんでみてはいかがでしょうか?
まとめ
恵方は縁起の良い方角として知られ、新しいことを始める際にその方向を意識すると良いとされています。
また、恵方巻きは七福神に由来する縁起の良い食べ物とも言われています。
今年の節分には、ぜひ正しい作法で恵方巻きを楽しみ、福を呼び込んでみてはいかがでしょうか。
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