「Vシネマ」や「Vシネ」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。
任侠映画やアウトロー作品のイメージが強い一方で、その正確な意味や成り立ちを知らないという方も少なくありません。
この記事では、Vシネマの歴史や特徴、代表作品や人気俳優についてわかりやすく解説します。
Vシネマとは?
Vシネマ(V-cinema)とは、映画館での上映を前提とせず、ビデオ販売やレンタル市場向けに制作された映像作品のことを指します。
語源は「Video(ビデオ)」+「Cinema(映画)」を組み合わせた造語で、1989年に東映が発表した映像レーベル「東映Vシネマ」から始まりました。
当時、日本映画は興行収益の低迷に直面しており、年間の映画公開本数は250本前後まで減少。
そこで急速に普及していたレンタルビデオ市場に目を付け、低予算ながら質の高い作品を提供する戦略として誕生したのがVシネマです。
なお、「Vシネマ」という言葉はもともと東映ビデオの登録商標でしたが、現在では一般名詞化しており、東映作品に限らず「劇場公開を前提としない映画全般」を指す言葉として広く使われています。
Vシネマ│ジャンル
Vシネマといえば「任侠」「バイオレンス」といったジャンルがまず思い浮かびますが、それだけではありません。
コストを抑えつつも固定ファンがいるテーマを中心に制作され、現在では幅広いジャンルに展開しています。
Vシネマジャンル
- 任侠・極道作品(伝統的な人気ジャンル)
- ギャンブル映画(麻雀・パチンコなど)
- お色気・エロス系(R指定・官能作品)
- ホラー映画(オリジナルビデオならではの過激表現も)
- サスペンス・バイオレンス作品
固定ファンの支持を得られる分野で制作されることが多く、映画館で上映される一般映画とは違うニーズに応えてきました。
Vシネマといえば長寿シリーズ作品が多いのも特徴です。
代表的なシリーズを紹介します。
- 日本統一シリーズ(主演:本宮泰風、山口祥之)
- 極道の代紋シリーズ(主演:白竜、松田一三)
これらの作品は、任侠映画ファンに絶大な支持を得ており、続編が次々に制作される人気シリーズとなっています。
Vシネマ俳優
劇場映画やテレビドラマよりも、Vシネマを主戦場に活躍する俳優たちを「Vシネマ俳優」と呼びます。
低予算ながら、Vシネマが一大産業として成立していた1990年代には、トップ俳優たちが驚くほどのギャラを得ていました。
例えば、2000年代初頭の2時間ドラマ主演俳優のギャラが200~300万円程度だったのに対し、Vシネマのトップスターは1本あたり1000万円近いギャラを得ていたといわれています。
Vシネマ元祖四天王
- 哀川翔(あいかわ しょう)
- 竹内力(たけうち りき)
- 小沢仁志(おざわ ひとし)
- 白竜(はくりゅう)
この4人は「Vシネマ元祖四天王」と呼ばれ、ジャンルを代表する存在となりました。
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Vシネマneo四天王
後年、彼らの後継者として「Vシネマneo四天王」と呼ばれる4人が台頭します。
- 中野英雄(なかの ひでお)
- 的場浩司(まとば こうじ)
- 本宮泰風(もとみや やすかぜ)
- 山口祥之(やまぐち よしゆき)
彼らもまたシリーズ作品を通じて人気を博し、テレビや舞台に進出するケースも多く見られます。
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Vシネマは、俳優にとってキャリアの出発点や再起の場ともなっています。
劇場映画やテレビで活躍していた俳優が人気低迷や不祥事で出演機会を失った際に、Vシネマで復活するケースも珍しくありません。
また、Vシネマで人気を獲得した俳優が後にテレビドラマや映画に進出する例も多く、Vシネマは日本のエンタメ界における重要な登竜門といえるでしょう。
まとめ
「Vシネマ」とは、劇場公開を前提とせず、レンタルや販売用に制作された映画のことです。
東映が1989年に立ち上げた「東映Vシネマ」をきっかけに誕生し、任侠・ギャンブル・お色気・ホラーなど幅広いジャンルで発展しました。
哀川翔や竹内力といったスター俳優を輩出し、現在もシリーズ作品や新ジャンルが登場し続けています。
Vシネマは単なる低予算映画ではなく、独自の文化を築き上げた日本の映像史に欠かせない存在なのです。
